栴檀の語源は「栴檀は双葉より芳し」に因んでいます。和名を「白檀」といい芳香があります。古くから仏像、彫刻、細工物などに使われています。栴檀の「丸に香の図」のマークは香道の源氏香に由来し、源氏物語の「帚木」の巻の形です。
中央の5本のストライプは、季・器・気・木・生の5つのコンセプトを意味し円でそれらを提供するサービスを表しています。
春の桜、秋の紅葉。移り行く四季の美しさは人の心を和まします。それは多忙な現代人に欠かせない自然からの贈り物です。雨上がりの緑葉が光にきらめき、風が庭の木立ちを渡って行く。
「笠にとんぼをとまらせてあるく」
山頭火 俳句の街、松山。
栴檀は料理に部屋のしつらいに「季」を大切にします。
日本料理は目で食べるといい、器と盛付けの美しさを大切にします。煮物・焼物に色どりを添え、小付けを引き立たせる面白い小鉢たち。
さしみ皿に供猪口、細長いアユ皿も楽しく、茶碗に、お銚子、盃にぐい呑。季節に合わせ、材料に応じ、陶器や漆器など多種多様な個性の競演。どれひとつとっても、もてなしの心が伝わる「器」づかいです。
触れあったなにげない気遣いが、旅の深さをいっそう鮮やかにします。玄関先の打ち水、あたたかい出迎えの言葉、そして伊予なまり。ほどよいぬくもりの部屋、どこからともなくふくいくとした香りの漂う廊下。やわらかい灯りの湯船で聞く石手川のせせらぎの音。あたたかいものを温かく、料理旅館ならではの日本の「気」くばりです。
和風建築、それはまさしく手造りそのもの、「木」を大切にする日本の文化。格子や庇、障子に襖。磨き上げられた床柱に彫刻のほどこされた欄間。木の温かいぬくもりが、旅人のこころを落ち着かせ、気分を和ませます。また、雪見障子越しに目をやれば、すだれに陽光がふりそそぎ色鮮やかな錦鯉の泳ぐ池に、青葉若葉の木々が緑影を落としています。
あくせくとした旅は、ただ疲れるだけ。自分が生きていることの発見の旅がいい。旅先でのゴロ寝。
ぼんやりしていることのけだるい感触。忘我の心境。
めばる、おこぜ、鯛。新鮮な瀬戸内のお魚を中心に「あ、いいなぁ」と思う瞬間。それは生きていることの小宇宙の発見。四国、道後の旅は生きている時間の証明、また行きたくなる出会いの旅。